限りなく透明に凛として生きる 01

『限りなく透明に凛として生きる』佐藤初女
命とはエネルギーで、
私は掃除をしながら
ゼロになるとエネルギーが生まれるんだ!
と閃いたことがある。
カタをつけることが、ゼロにすることだと思ったのだ。
ゼロとは透明とも言える気がする。
森のイスキアの佐藤初女さんは語る。
〝何でも命が変わるときは透明になります。〟
透明になった野菜に味付けすると、野菜がそれを受け入れる。
セミの幼虫が成虫になるとき。
稚魚が成魚になるとき。
お母さんのお乳も透明なのがいい。
陶器も1300度を越えると、突然炉のなかに入れた焼き物は形がなくなって透明になる。
焼き物自身に有機的な命が宿る。
〝人と向かい合って話す場合も、こちらが透明であれば、相手を丸ごと受け入れることができるわけですから、ただ話すだけでなく、お互いの理解が一歩深まるのではないでしょうか。〟
対談には、産婦人科医の池上明先生も登場する。
お産に立ち会う時、自分が成長したなと調子に乗ると、赤ちゃんは産まれてくる時に息を止めることがあるそうだ。それを「思い上がるな」「まだまだ未熟なくせして」という赤ちゃんからのメッセージとして受け止める池上先生。
謙虚であることは、とても愛おしい。